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中電、5年ぶり黒字 原料費節約し最高益 4~6月期

 中国電力が31日発表した2014年4~6月期業績は、純利益が126億2500万円で5年ぶりに黒字転換し、過去最高益となった。安価な石炭を燃やす主力発電所に長期停止がなく、原料費を節約できた。

 通期の利益予想は、島根原発(松江市)の再稼働が不透明で費用を合理的に算出できないとして引き続き未定とした。売上高予想は4月発表の1兆3010億円を1兆3090億円に引き上げた。

 4~6月期の売上高は3073億2400万円で、前年同期より283億円(10・2%)増えて過去最高となった。再生可能エネルギーの固定価格買い取りに伴う交付金が81億円増え、関西電力や九州電力への電力融通による売り上げも19億円増えた。

 一方、原料費は53億円を圧縮した。三隅発電所(出力100万キロワット、浜田市)など主力の石炭火力が、トラブルや定期点検に伴う長期停止がなくフル稼働。発電単価の高い原油の利用を9割減らし、コストを抑えた。石炭価格も前年より1割余り安かった。原発停止を受けて取り組む設備修繕の繰り延べといった年670億円規模の経費節減も効き、純損益は前年の96億6400万円の赤字から222億円改善した。

 中電は「主力発電所がフル稼働し、石炭価格も安いなど業績好転の要因が重なった」と説明。原発が停止を続ける中、「石炭火力にもトラブル停止の懸念はある。厳しい経営状況は続いている」とした。全国の電力会社に相次ぐ電気料金の抜本値上げについては「検討していない」と従来の表現を繰り返した。(山瀬隆弘)

(2014年8月1日朝刊掲載)

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