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広島の被爆者ら歓迎の声 ケネディ米大使「8・6」出席 核軍縮訴える発言に期待も

 キャロライン・ケネディ駐日米大使が平和記念式典に合わせ、着任後初めて広島市を訪れることが報道された31日、被爆者たちは歓迎の声を上げた。就任時から「核兵器のない世界」に向けた発言が目立つだけに、核超大国の代表として、被爆地での言動に注目が集まっている。(田中美千子、加納亜弥)

 ケネディ氏は1978年、20歳の時に、叔父の故エドワード・ケネディ上院議員たちと広島を訪れている。米国でケロイド治療を受けた女性被爆者の一人で、広島駅で一家と対面した佐古美智子さん(82)=廿日市市=は「再訪を待っていた」と喜ぶ。「被爆地に思い入れがある人だと思う。ヒロシマを見つめ、核兵器廃絶に一層、力を入れてほしい」

 「じっくり話してみたい」と期待するのは、広島県被団協の坪井直理事長(89)。「憎しみや恨みを乗り越え、理性を持って手をつなごうと提案したい」

 ただ、大使の詳しい訪問日程は明らかにされていない。原爆資料館の志賀賢治館長は「来訪が本当なら資料館も見学してほしい。超大国の核政策を動かすため、オバマ大統領に訪問を働き掛けてほしいと伝えたい」という。

 もう一つの県被団協(金子一士理事長)の大越和郎事務局長(74)は「何を言うかが重要だ」とくぎを刺す。前任のジョン・ルース大使は2010、12、13年と、式典に出席したが被爆地では終始、無言を貫いた。「来るからには核兵器の非人道性を確かめ、軍縮に向けたメッセージを発してほしい」と力を込めた。

(2014年8月1日朝刊掲載)

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