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広島の田辺さんが非核特使に カイロでCG上映

■記者 金崎由美

 被爆者で、原爆投下前の広島を再現した記録映画を手掛ける映像制作会社社長の田辺雅章さん(72)=広島市西区=が、政府の非核特使に選ばれた。21日からエジプトのカイロで始まる日本映画祭で作品を上映し、講演する。

 旧広島県産業奨励館(現原爆ドーム)の隣に実家があった田辺さんは、原爆で失われた街を映像で再現することがライフワーク。今年8月には、戦後に平和記念公園の一部となった旧中島本町の街並みや暮らしぶりをコンピューターグラフィックス(CG)などで再現した記録映画を完成させた。

 5月、田辺さんが米ニューヨークの国連本部で制作中の記録映画の一部を上映し、外務省の関係団体から映画祭参加を要請された。その後、菅直人首相が非核特使を創設し、派遣が決まった。今回はクウェートでも作品を披露し、講演する。

 田辺さんは「核兵器が安全をもたらすことは決してないことを、核問題を抱える中東で訴えたい」と決意している。

(2010年10月7日朝刊掲載)

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