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原発が翻弄 家族の物語 「あいときぼうのまち」 きょうからサロンシネマ

 原子力政策に翻弄(ほんろう)される福島の家族を描いた映画「あいときぼうのまち」が2日から、広島市中区のサロンシネマで上映される。

 1945年の終戦直前、原発建設に揺れる66年、東日本大震災があった2011年、震災後の12年―。四つの時代が交錯しながら物語は進む。容赦ない圧力を受ける原発反対派、東京電力の福島第1原発事故で避難民となりさまよう少女…。原子力政策のひずみに巻き込まれ、傷つきながらも必死で生きる人々の物語を濃厚なタッチで描く。

 「3・11から3年。忘れちゃいけないという強い思いで取り組んだ」と脚本の井上淳一。強烈な原発批判を込めた内容だけに出演を断る俳優も多かったが「強い覚悟を持って撮影に臨んだ人しか出せない空気感が作品に出た」と語る。

 8日まで。午後4時50分スタート。2、3日の上映後には井上と出演者の沖正人(江田島市出身)の舞台あいさつがある。(余村泰樹)

(2014年8月2日朝刊掲載)

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