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平和公園に喫煙ブース 広島市が初設置 受動喫煙を防止

 広島市は1日、中区の平和記念公園に初めて喫煙ブースを設置した。受動喫煙防止のため、園内に5基あった灰皿のうち2基を1カ所に集約。残る3基は園路から離し、植栽を施した。愛煙家からは歓迎の声が聞かれた一方、嫌煙家からは全面禁煙を望む声が出た。

 ブースは原爆資料館東館南にある駐車場に設けた。10平方メートルで四方を半透明の強化ガラスで囲った。灰皿を2基置いている。

 12・2ヘクタールある平和記念公園は、市のぽい捨て等防止条例で、灰皿がある場所以外での喫煙や、吸い殻の投げ捨てが禁じられている。市は2008年度から、55基あった灰皿を段階的に撤去。ただ13年5~6月にした公園利用者248人のアンケートで、全面禁煙への反対(56・9%)が、賛成(43・1%)を上回ったため、全面禁煙は見送った。

 喫煙ブースを利用した西区のアルバイト二宮修二さん(67)は「周りを気にせず安心して吸える」と歓迎。一方、散歩で訪れた西区の無職貸川文男さん(73)は「修学旅行などで子どもも多く訪れる。全面禁煙を」と声を大にした。

 市は今秋、再びアンケートする方針。市緑政課は「公園利用者たちの意見を聞きながら、喫煙環境の在り方を検討したい」としている。(川手寿志)

(2014年8月2日朝刊掲載)

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