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布絵芝居に被爆の友人描く 広島市安佐北区の森本さん 「命の大切さ次代に」

 広島市安佐北区三入南の紙芝居作家森本マリア(本名新谷幸枝)さん(80)が、被爆して1カ月後に亡くなった友人を描いた布絵芝居「水玉もよう」を作った。市内の児童館などで公演し、平和の大切さを子どもに伝える。(中川雅晴)

 当時、三入国民学校(現三入小)6年生だった森本さんの友人で9歳の女子は、市中心部で被爆した。髪の毛が抜け、体中に紫色の斑点が出るなどして亡くなった。布絵芝居は縦1メートル、横0・9メートルの布に蛍光絵の具で描いた作品。布に光を当て絵を浮かび上がらせる。6月に完成した。

 今月1日は同区の亀崎児童館で演じた。亀崎小1年杉浦愛徠さん(6)は「髪の毛が抜けるシーンが怖かった。戦争はいけないと思った」と話していた。

 森本さんは1989年から紙芝居や布絵芝居を作り、これまで36作品を製作。自身の体験を基に戦争をテーマにした作品が多く、夏を中心に年15回程度、市内の児童館や小学校で夫の秋良さん(86)と公演する。

 森本さんは「原爆で友人を失ったのはショックだった。戦争の悲惨さや命の大切さを次代に伝えたい」と話している。

(2014年8月2日朝刊掲載)

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