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特殊地下壕の入り口公開 岩国・愛宕山 旧海軍の「紫電改」工場

 山口県岩国市の愛宕山地域開発事業跡地の地下に一部が残る、旧海軍の飛行機工場だった特殊地下壕(ごう)の入り口付近が1日、報道機関に公開された。跡地の上では、国が米海兵隊岩国基地への空母艦載機移転に伴う米軍施設整備を進めており、国は市に埋める方針を示している。

 民家そばにぽっかりと口を開ける地下壕。金網の扉の奥には高さ約3・5~5メートル、幅約4メートルのトンネルが続いているという。コンクリートの壁には、電線を渡したと思われるボルトが打ち付けられたままになっていた。飛行機工場だった痕跡は、入り口付近からは見えなかった。

 地下壕は1945年、旧海軍第十一航空廠(しょう)岩国支廠として造られた。3カ所に延長約2キロのトンネルが網目状にあり、本土決戦用の戦闘機「紫電改」を製造していた。現在は入り口の大半が閉鎖され、一部はバイパス工事などで埋め戻されている。市によると、落盤している部分もあるため、事故防止も含めて国が埋める方針を示している。(野田華奈子)

(2014年8月2日朝刊掲載)

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