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被爆体験を小中生に伝える 山口県実行委、山口で平和のつどい

 山口県被団協やコープやまぐちなどでつくる県ピースアクション実行委員会は1日、平和のつどいを山口市滝町の県政資料館で開き、小中学生たち約120人が被爆体験を聞いた。

 山口市仁保下郷の伊藤美代子さん(84)が、焼け野原になった原爆ドーム周辺や学生時代の写真を示し、原爆投下直後の広島市で目にした被害を語った。

 山口師範学校女子部(光市)の生徒だった16歳の時に入市被爆した。学徒動員先の富山県から戻る途中、原爆で列車が広島県海田町で停車。1945年8月7日、山口までの列車が発車する駅を目指し広島市内を歩いた。

 やけどを負って逃げてきた人が駅舎に詰めかけ、「手は力なく垂れ、血とやけどで赤黒かった。生死が分からない人が道に倒れていて足の踏み場がなかった」と振り返った。「原爆の被害は地獄のよう。伝えていかなければ」と力を込めた。

 同館では、熱線で溶けた瓦やビール瓶などを展示する県原爆被爆者支援センターゆだ苑主催の原爆展が3日まである。2、3の両日は午後1時から被爆者が体験を語る。(柳岡美緒)

(2014年8月2日朝刊掲載)

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