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日本の核武装を懸念 原水協など世界大会開幕 広島

 日本原水協などの原水爆禁止世界大会の開幕となる国際会議が2日、広島市中区の市文化交流会館で始まった。核兵器の非人道性などを議論。安倍政権の集団的自衛権の行使を可能にする閣議決定について、日本の核武装や北東アジア情勢の緊迫化につながると懸念する意見が出た。

 初日の全体会議では、各国の核被害地の代表が発言した。1957年に核廃棄物の貯蔵タンクの爆発事故があったロシア・チェリャビンスクの市民団体「アイグル」のミーリャ・カビロワ議長は「住民の健康被害は深刻だ。核エネルギーに頼らない世界をつくろう」と呼び掛けた。

 米国によるビキニ水爆実験の被曝(ひばく)者の遺族や福島第1原発事故の被災者は、古里に戻れない現状を訴えた。

 集団的自衛権の行使を可能にする閣議決定については、被爆者代表として登壇した日本被団協の藤森俊希事務局次長が「このまま(安全保障関連の)立法や法改正を許せば、日本は核武装への道を進む可能性さえ生まれる」と批判した。

 韓国の非政府組織(NGO)「参与連帯」の李泰鎬(イテホ)事務局長は、集団的自衛権の行使は「平和憲法を台無しにする」と強調。日本の憲法9条の堅持は「北東アジアで平和を維持するためのとりでだ」と指摘した。

 国際会議は4日までの3日間、18カ国の政府代表や平和団体のリーダーが意見を交わし、宣言をまとめる。原水協などは会議に続き、4~6日に世界大会・広島を開く。

 原水禁国民会議なども4~6日、中区の広島グリーンアリーナなどで原水爆禁止世界大会広島大会を開催する。(藤村潤平)

(2014年8月3日朝刊掲載)

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