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NPOと昭和女子大生、被団協の資料整理 被爆者運動の証し次世代へ

 NPO法人ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会(東京)が、昭和女子大(同)の学生たちと一緒に、日本被団協が保存する資料の整理作業を進めている。被爆者運動の記録を集めて次世代に伝え、記憶の風化を防ぐ狙いだ。(山本和明)

 全国の被爆者調査の回答用紙、国への要請文、内部の連絡文書…。2日は東京都内にある同会事務所に5人が集まった。さびたホチキスを外してクリップでとじ直し、目録に資料名や年代を記した。黄ばんでいるため、丁寧に扱っている。

 資料は1956年の日本被団協の結成から2000年ごろまでで段ボール箱で66箱分。同大人間文化学部の松田忍専任講師(38)=日本近現代史=がアドバイザーとなり、昨年から夏休みを中心に学生、卒業生計28人で作業をしている。

 3年佐藤永美香さん(20)は「被爆者運動の証しを未来に残すことは、平和な世界の実現につながるはず」。10日まで続け、今月下旬から再開する予定だ。

 継承する会は、被爆者運動などの資料を集めた施設「継承センター」の建設を目指している。整理した資料は「記憶遺産」として世界に発信する考え。

(2014年8月3日朝刊掲載)

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