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8・6式典へ菊を収穫 三次の生産組合 寄贈40年余…慰霊碑に献花

 三次市内の農家20戸でつくる菊生産組合が2日、原爆の日の6日に広島市である平和記念式典で慰霊碑に献花する菊を収穫した。同組合は40年以上前から寄贈している。「供え続けることで、被爆者の鎮魂を祈りたい」と育てた菊に平和への思いを託す。(野平慧一)

 2日は早朝から、坂居君枝組合長(75)が三次市穴笠町の畑約20アールで、赤、白、黄の菊約300本を鎌で刈っていった。4月下旬に苗を植えて、高さ約1メートルに育ち、7月下旬に開花を始めた。

 各農家が収穫した菊約3千本は、同市畠敷町のJA三次卸売市場に集めて、3日にトラックで広島市に運ぶ。

 三次市は県内有数の菊の生産地で、組合は1970年から毎年、届けている。高齢化などから、組合に加入する生産農家はピークだった80年ごろの65戸から3分の1に減少。平均年齢は65歳を超えた。

 昨年、坂居組合長たち6人は初めて式典に参列。「世界中の人が集い、平和を願う式典に菊を供える意味をあらためて感じた。後継者を育てて献花を続けていきたい」と話している。

(2014年8月3日朝刊掲載)

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