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NY路上で描く日系人画家の魂 廿日市でミリキタニ展

 平和への思いを胸に、米国ニューヨークの路上で絵を描き続けた日系人画家ジミー・ツトム・ミリキタニさん(1920~2012年)の足跡をたどる展覧会「ミリキタニの猫」が、廿日市市のはつかいち美術ギャラリーで開かれている。

 カリフォルニア州で生まれ、10代後半まで広島で育った。兵役を拒み米国に戻るが、日米開戦を機に日系人強制収容所へ。苦境下でも誇りを失わず絵筆を握る姿を紹介した映画(06年)は世界中で評価を得た。

 会場には、親族らが所有する墨絵など初公開の作品を含む約70点が並ぶ。鉛筆やクレヨンで描いた収容所の風景や猫、炎に包まれた原爆ドームや9・11後の世界貿易センタービルの絵も。日米関係を風刺するコラージュもある。

 同じ収容所にいた江田島市の平野芳枝さん(83)が孫と来場。「ジミーさんと面識はないが、財産や尊厳を奪われてつらかったろう。これだけの絵を残し、たいそうな人だ」と話した。31日まで。無料。月曜休館。

(2014年8月3日朝刊掲載)

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