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広島と長崎をつなぐ音色 被爆2世のビオラ奏者沖西さん 長崎で9日コンサート

 被爆2世のビオラ奏者沖西慶子さん(49)=広島市安佐北区=が、長崎原爆の日の9日、長崎市の国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館でコンサートを開く。二つの被爆地を結び、追悼と平和への思いを音楽に託す。

 沖西さんの母、素子さん(79)=同=は長崎で被爆。当時の様子を詳しく聞いたことはなかったが、昨年春から被爆2世として広島市の被爆体験伝承者事業を受ける中、「広島と長崎で、寄り添ってできることもあるはず」と考えるようになった。

 昨年9月、素子さんが同館の被爆体験聞き取り事業で体験を語ったのをきっかけに、今年4月、親子で同館を訪れた。智多正信館長らに館内を案内してもらった際、交流ラウンジでの演奏を依頼された。

 9日は午後3時15分から、同じエリザベト音楽大卒業のピアニスト長沼靖子さん(50)=廿日市市=と出演。「長崎の鐘」と、同館近くの山里小の子どもたちに歌い継がれている、被爆医師永井隆作詞の「あの子」を演奏する。

 「祈念館に写真を納めているいとこと伯母に娘の演奏を聴いてもらえるのがうれしい」と素子さん。沖西さんは「同じ被爆地だからこそ長崎でも慰霊の気持ちを込めて演奏したい」と話している。(二井理江)

(2014年8月4日朝刊掲載)

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