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被爆証言記事を点訳 広島県立視覚障害者情報センターが初

 点字図書の貸し出しや製作をする広島県立視覚障害者情報センター(広島市東区)が、被爆証言を広く国内に伝えようと、被爆証言の新聞記事の点訳に初めて取り組んでいる。ボランティアの協力を得て、CDにも録音。全国の点字図書館など約300カ所に送る。

 被爆証言の記事は、中国新聞社発行の中学生・高校生向け平和学習新聞「学ぼうヒロシマ」に掲載した、「記憶を受け継ぐ」の10本分。ボランティアグループ「QP」のメンバーが同センターで点訳している。パソコンソフトを使って点字に直した本文を見ながら、漢字の読み方が合っているか、誤字や脱字がないかなどをチェックした。

 これまで、出版された本の被爆証言集を点訳したことはあるが、新聞の証言記事を点訳したことはなかった。例年8月6日前後は、原爆資料の貸し出しについて全国から問い合わせが多い。川崎令子主任(46)は「広島でしか読めない記事も点訳して、被爆者の生の声を伝えたい」と話す。

 証言集は90ページになる予定。CDは約1時間半で、安佐南区の主婦西田美和子さん(55)が録音した。9月に広島県内の公立図書館と、県外の点字図書館や特別支援学校などに送る。(山本祐司)

(2014年8月5日朝刊掲載)

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