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会員88%病気治療中 「上安・相田地区黒い雨の会」調査

 原爆投下後の「黒い雨」を今の広島市安佐南区で浴びた住民たちでつくる「上安・相田地区黒い雨の会」(191人)は5日、4年ぶりに実施した会員の健康調査の結果をまとめた。答えた95人のうち84人(88・4%)が何らかの病気で治療中だった。8日、市に提出し、援護対象区域に加えるよう国への働き掛けを求める。

 医療機関での治療の有無や病名、これまでの病歴を質問。6月中旬に全会員へ調査票を送り、月末までに回答を得た。

 その結果、延べ31人が胃や腎臓などのがんを患っていた。ほかにも38人が白内障、5人が甲状腺機能低下症にかかっていた。大半は二つ以上の病気を併発。「健康」と答えたのは11人にとどまったという。

 会員は2002年12月の結成時、256人いたが、亡くなったり、高齢で活動できなくなったりして継続が危ぶまれている。吉田良文会長は「私たちには本当に時間がない。国は病気と闘う住民の姿を直視してほしい」と訴えている。

 上安・相田地区は、被爆者健康手帳の取得につながる国の援護対象区域外。広島県や広島市などが、同地区を含め今の約6倍に区域を広げるよう要望を続けている。松井一実市長は、6日の平和記念式典で読み上げる平和宣言でも、区域の拡大を求める。(田中美千子)

(2014年8月6日朝刊掲載)

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