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今年も別々に広島集会 原水禁・連合・KAKKIN

 原水禁国民会議などの原水爆禁止世界大会の広島大会は5日、広島市中区の県民文化センターなどで分科会や国際会議を開いた。連合、KAKKIN(旧核禁会議)と3団体で主催していた集会はことしも連合が単独開催。「脱原発」と「原発推進」の路線対立で生じた分裂は2年連続となった。日本原水協などの世界大会・広島は、市内でフォーラムや分科会を開いた。

 原水禁の分科会「福島原発事故と脱原発社会の選択」には、約230人が参加。市民団体「原子力資料情報室」の伴英幸共同代表は「地域社会を原発に依存しない構造に変える議論をしよう」と訴えた。南区のホテルでは米韓の専門家を交えた国際会議があり、日本が積極的に進める原発技術の輸出などを非難した。

 電力会社や製造業の労組が加盟するKAKKINは、南区の別のホテルで集会。落合清四議長代行は、約130人を前に「原子力の平和利用は、エネルギーの安全保障や環境問題からアプローチしたい」とあいさつした。アピール文には「原子力は引き続き重要なエネルギー」との文言を盛り込んだ。

 両者と手を組んできた連合は、中区の市文化交流会館で平和ヒロシマ集会を単独開催し、約2300人が参加した。共催になった原水禁、KAKKINの代表も登壇したが、発言はなかった。連合の古賀伸明会長は「平和首長会議とも連携し、核兵器廃絶に向けた国内外の世論喚起の活動を一層強化する」と表明した。

 一方、原水協のフォーラムは、核兵器全面禁止に向けて政府と非政府組織(NGO)の代表が意見交換。アルマンド・アリアガ・オチョアテギ駐日メキシコ臨時代理大使や原水協の高草木博代表理事たち4人が出席した。(藤村潤平)

(2014年8月6日朝刊掲載)

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