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25万3008人「風通し」 原爆死没者名簿91冊

■記者 水川恭輔

 広島市中区の平和記念公園で21日、原爆慰霊碑の石室に納められた原爆死没者名簿の湿気を取り除く「風通し」があった。犠牲者25万3008人の名前が、梅雨入り前の陽光と風を浴びた。

 慰霊碑前には白い布が敷かれ、91冊の名簿が並べられた。手袋をした市の職員3人が1枚ずつページをめくり、光と空気にさらした。見守る人たちの中には、両手を合わせる死没者の遺族の姿もあった。

 年に1度の風通しは、名簿に傷みや変色がないかの確認も兼ねる。市原爆被害対策部によると、保存状態は良好だったという。記帳に使う91冊目以外は、調湿剤とともに碑に戻した。

 市の見込みでは、亡くなったり、死亡を確認したりして、今年書き加えられる名前は5000人前後。6月中旬から記帳を始め、8月6日の平和記念式典で碑に納める。

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