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「原爆の図」米で展示 被爆70年の来夏 首都では初

 被爆の惨状を生々しく伝える記念碑的な作品で、故丸木位里・俊夫妻の画業を代表する「原爆の図」が被爆70年の来夏、米ワシントンで展示される。同作の米国巡回は1970年を最初にこれまで3回あるが、首都での展示は初めて。主催者たちが5日、広島市役所で発表した。

 所蔵する原爆の図丸木美術館(埼玉県東松山市)が企画し、来年6月13日~8月14日、ワシントンのアメリカン大美術館で展示。同大のピーター・カズニック教授(歴史学)は「恐ろしくも美しい、人類にとっての重要作。戦勝70年の祝賀ムードが予想される地で、戦争の真実を考える機会をくれるはず」と意義を強調した。他会場への巡回も交渉中という。

 「原爆の図」は1950~82年に全15点が描かれた。位里さんは広島市安佐北区出身で、被爆から数日後の広島を俊さんとともに目の当たりにしている。被爆死した捕虜米兵を描いた絵もあり、それを含む6点を出展する。

 米国への移送や準備の費用(約1千万円)は日本側が負担するため、市民の募金もスタートさせた。丸木美術館Tel0493(22)3266。(道面雅量)

(2014年8月6日朝刊掲載)

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