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戦争証言 家族に伝えて 広島市安佐南区の塩冶さん 体験を冊子に

 広島市段原町(現南区比治山町)で被爆した塩冶(えんや)節子さん(74)=安佐南区=の体験をつづった冊子「母の手に助けられて」が完成した。7月下旬から証言活動の場で無料配布している。

 B5判、6ページ。5歳だったあの日、爆心地から約1・6キロの自宅が倒壊し、がれきの中から母に助け出された。当時の惨状や被爆から7年後に亡くなった3歳下の妹との思い出を写真も添えてつづっている。

 知人の北広島町のグラフィックデザイナー土屋春恵さん(38)が、塩冶さんの手記を基に作った。6月の証言活動で参加者に配ったところ好評だったため、再編集して2千部印刷した。制作には、市内の企業や美容院、書道教室など10団体からの協賛金を充てた。

 塩冶さんは「冊子を家に持ち帰り、家族みんなに戦争の実情を知ってもらいたい」と話している。(鈴中直美)

(2014年8月6日朝刊掲載)

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