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節目40回 初の屋内開催 ゆだ苑 高齢化配慮 来月6日 山口のヒロシマデー

 「山口のヒロシマデー」と呼ばれる9月6日に開かれてきた山口原爆死没者追悼・平和式典が、ことし40回目を迎える。県原爆被爆者支援センターゆだ苑は、節目の式典を山口市中央の市民会館小ホールで開く。屋内開催は初めてで厳しい残暑が予想される中、高齢化した被爆者や遺族たちが参列しやすくした。(柳岡美緒)

 ゆだ苑の岩本晋理事長は「被爆者たちが原爆の被害を風化させまいと続けてきたが、高齢化で参加が難しくなったとの声が寄せられている」と説明。被爆者の年齢を考えると今後、一堂に集まるのはさらに難しいとし、40回目を節目の式典と位置付けたという。

 会場は400席を予定。この一年に亡くなった被爆者の名簿と遺骨を同市宮野の原爆死没者之碑に納めるためのセレモニーや黙とうをする。式典後、希望者はバスで碑を訪れる。岩国、下松市などの被爆者には会場まで往復バスを用意する。

 これまで式典は碑の前で、ゆだ苑と県被団協が1975年から開いてきた。当時の県教委職員や住民の証言で、広島市で被爆し山口市の旧山口陸軍病院に運ばれ亡くなった兵士の遺骨が埋葬されていたことが分かり、73年9月6日に発掘された。1年後、発掘場所に碑が建立された。

 昨年の式典には約250人が参加した。碑には記載を希望した774人の死没者名簿と130人の遺骨の一部が納められている。県によると、3月末現在の県内の被爆者は3434人で平均年齢は81・1歳。昨年同期比で207人減った。

 式典後には、被爆ピアノのコンサートもある。岩本理事長は「6日の広島原爆の日、9日の長崎原爆の日と同じように、多くの人と被爆者の冥福と核兵器廃絶を祈る日にしたい」と呼び掛ける。

(2014年8月6日朝刊掲載)

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