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校章ボタン復元し遺族に 旧制市立中の慰霊祭 後身・基町高生徒ら贈る 広島

 被爆した先輩たちを忘れない―。広島市中区の基町高の生徒と卒業生が、前身の旧制広島市立中(市中)の慰霊祭で、遺品を基に復元した市中の校章入りボタンを遺族たちに贈った。

 市中では、370人以上の生徒と教職員が犠牲となった。多くの生徒の動員場所だった小網町(現中区)にある市中の慰霊碑前。約350人が参列し、同高生徒が、希望する遺族や級友にボタンを配布した。

 ボタンは茶色の陶製で、川をイメージした波線3本に「中」の字を重ねた模様。69年前、2年生だった新田篤実さん(82)=中区=は複製ボタンを手に取り「亡くなった同級生たちが付けていた。当時を思い出します」と目を細めた。

 基町高2年福田芽依さん(17)は「ボタンにまつわる思い出話を聞いて、先輩の被爆が一層身近に迫ってきました」と話していた。

 復元は、焼け野原で見つかった遺品のボタンを懐かしむ声を受けて、同窓会が企画。約100個を完成させた。(水川恭輔)

(2014年8月6日夕刊掲載)

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