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「不拡散考える機会」英 広島被爆69年式典

 米国のケネディ駐日大使とは対照的に、一部の政府代表はあの日から69年の被爆地で抱いた思いを明かした。

 「この雨がなおさら深い悲しみを感じさせる」。英国のティム・ヒッチンズ大使は、自国の核兵器保有に触れながら「どう核拡散を防ぎ核兵器が存在しない世界をつくれるか、という問いを真剣に考えさせる機会だ」と感想を口にした。

 やはり核兵器を保有するロシアは、セルゲイ・エリセーエフ1等書記官が「(小学生の)『平和への誓い』が印象深い。次世代が平和への認識を深めてくれればいい」と述べた。

 カンボジアのチャウ・ソティラ臨時代理大使は、内戦を経た自国の歩みと被爆地とを重ねた。「広島の復興はすばらしい。被爆地のメッセージは世界の平和と安定に貢献している」と強調。キューバのマルコス・ロドリゲス大使は「日本の人たちに対する恐ろしい行いと、犠牲者たちのことを記憶し続けなければならない」と力を込めた。

 被爆地の訴えを継ぐ意思もあった。ボツワナのジェイコブ・ンカテ大使は「われわれのような小国でも国際社会での発言権はある。世界の国と連携し、核兵器の完全廃絶へ声を上げたい」と語った。

 式典に初めて出席したドイツのハンス・ベアテルン大使は中国新聞社を訪問。欧州の経験に基づいた東アジアの信頼醸成などについて、岡谷義則社長と意見交換した。

(2014年8月7日朝刊掲載)

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