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記憶伝える責任を痛感 ヒロシマ講座 記者、遺族らを取材

 広島市のジャーナリスト研修「ヒロシマ講座」に参加している全国の地方紙の若手記者が、平和記念式典などを取材し、各紙に原稿を送った。

 愛媛新聞社(松山市)の中田佐知子記者(29)は式典に参列後、愛媛県の遺族代表の吉岡稔さん(66)=松山市=を取材。陸軍の活動で8月8日、広島市中心部に入って被爆し、昨年3月に90歳で亡くなった父徳一さんの足跡などを尋ねた。

 「父は原爆について語らず、私は長く被爆の事実さえ知らなかった。あまりにつらい経験だったのだろう」と吉岡さん。妻弥生さん(60)は「広島の平和への思いが胸に迫った。孫たちにも話して聞かせたい」と言葉を継ぎ、中田記者は7日朝刊の記事にまとめた。

 被爆2世の活動も取材した中田記者は「記者として記憶を伝える責任を痛感した」と話し、近く被爆体験の継承をテーマに連載を企画するという。

 講座の受講者は25~35歳の9人。7日に閉講する。(山本洋子)

(2014年8月7日朝刊掲載)

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