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「公表機会奪ってはならぬ」 「はだしのゲン」閲覧制限 埼玉で講演会

 漫画「はだしのゲン」の閲覧制限をテーマにした講演会が6日、原爆の図丸木美術館(埼玉県東松山市)であった。公的施設でのメッセージ性の強い作品の展示について考えてもらおうと、特別展「はだしのゲン 絵本原画展」(9月6日まで)に併せて企画。約100人が来場した。

 講師は、元NHKプロデューサーの永田浩三武蔵大教授(59)=メディア社会学・東京都杉並区。NHKでは、太平洋戦争や第五福竜丸を取り上げた番組を制作した。母親は広島市内で被爆したという。

 「はだしのゲン」の閲覧制限の背景には、太平洋戦争における日本人の加害性を描いた点があったと分析。「賛否の分かれる表現でも、公表の機会を制限してはならない」と主張し、考えたり議論したりする図書館の役割を説いた。

 同美術館は毎年8月6日、被爆者追悼の催し「ひろしま忌」を続けている。(坂田茂)

(2014年8月7日朝刊掲載)

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