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佐々木禎子さんの命日 亡きおばへ 祈りの歌声

■記者 金崎由美

 広島市で被爆し、10年後に12歳で白血病で亡くなった佐々木禎子さんの命日の25日夜、おいのシンガー・ソングライター佐々木祐滋さん(40)=東京都=が中区の原爆ドーム前で野外コンサートを開いた。

 シャンソン歌手クミコさんと共演し、「INORI~祈り~」などを歌った。ヒット曲の「INORI」は禎子さんの気持ちを思い、祐滋さんが作詞作曲した。被爆地の秋の夜空に歌声が響いた。この日、祐滋さんは日米両国で折り鶴100万羽を集める「OMOIYARI(思いやり)プロジェクト」を発足させた。コンサートは活動の一環だ。

 祐滋さんは5月、米ニューヨークに渡った。禎子さんが折った鶴が展示された米中枢同時テロ追悼施設を訪れ、そこでプロジェクトを思い立った。2012年に現地へ折り鶴を届けるのが目標だ。 平和記念公園にある原爆の子の像は、生きる希望を折り鶴に託していた禎子さんの死がきっかけで建立運動が起こった。祐滋さんは「おばの思いを通じ、日米両国をつないでいきたい」と誓っていた。

(2010年10月26日朝刊掲載)

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