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原発事故後の不安語る 広島で核被害考える集会

 核被害を考える対話集会「反核の夕べ」が6日、広島市中区の市まちづくり市民交流プラザであり、福島第1原発事故の被災者や元広島市長の平岡敬さん(86)たちが意見を交わした。

 市民団体の世界核被害者フォーラム実行委員会が主催し、約80人が参加した。原発事故による避難生活の苦しさを語ったのは橘柳子さん(74)。福島県浪江町の実家を追われ、約10カ所の避難所を転々とした末に、今は同県本宮市の仮設住宅に暮らす。「何とか命をつないでいる状況。国や東京電力からは謝罪の言葉もなく、今後の説明もない」と声を震わせた。

 同県の多くの小学校ではことしになって、屋外での運動会やプール授業がようやく再開した。同県石川町の小学校教諭菊池ゆかりさん(47)は、それでも不安を隠さない。「線量の高い場所はある。安全かどうか不安なままだ」と訴えた。

 こうしたフクシマの叫びや悩みに、チェルノブイリ原発事故の現場周辺を視察した平岡さんが寄り添った。「原発事故は社会的な基盤が全て崩れ、街は廃虚となる」とし、日本の原発問題について「再稼働は、国民の幸せとは関係ない話」と話した。(川手寿志)

(2014年8月7日朝刊掲載)

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