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設計者ヤン・レツルゆかり チェコのTV局 ドームで収録

■記者 衣川圭

 チェコ国営テレビの撮影クルー6人が25日、広島市中区の原爆ドームで番組収録をした。ドームの被爆前の姿、県産業奨励館は同国出身の建築家ヤン・レツル(1880―1925年)の設計。レツルをはじめ日本で活躍したチェコ人建築家の足跡を6回シリーズで伝える。

 人気俳優で建築家でもあるダビット・バーブラさん(53)が雨の中、使われたれんがなどの材料や、原爆の威力についてリポート。「チェコでは無名に近いが、日本で近代建築の基礎をつくった素晴らしい先駆者だ」と強調した。

 レツルは1907年に来日。奨励館は1915年に県物産陳列館として完成している。

 撮影を指揮したラドワン・リプス監督(44)は「人類史上最悪の行いの証拠となったドームを目にして言葉を失った」と話していた。

 一行は、1日から日本で撮影を開始。広島県では原爆資料館(中区)や厳島神社(廿日市市)でロケした。シリーズは来年3月から放映する。

(2010年10月26日朝刊掲載)

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