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屋内中継で雨しのぐ 国際会議場に参列者席 広島被爆69年式典

 広島市は、平和記念式典の会場そばの広島国際会議場ホールに参列者席を設け、式典の模様を同時中継した。本来は、高齢化する被爆者や遺族の「暑さ対策」だったが、43年ぶりの本格的な雨をしのぐのに役立った。

 地下2階のホールに366席を並べ、同1階の傍聴席198席と併せて使用。つえを使うお年寄りや中高生たち延べ345人が訪れ、大型スクリーン(縦5メートル、横7・5メートル)に映された式典を見守った=写真。

 同ホールを使った屋内での式典中継は昨年に続き2回目。東区の小田逸江さん(84)は、被爆者で2月に82歳で亡くなった夫敬三さんとの結婚式の写真を持参した。「雨が激しかったので屋内で見られて助かった」とほっとしていた。

 市は1999年、式典の暑さ対策として、原爆慰霊碑前の芝生広場にテントを設置。徐々に広げ、ことしは6100席分にした。来年からは、1万1千席の会場全面にテントを張る予定でいる。

 また、「放鳩」を見送った。降雨では、ハトが帰巣するのが難しくなるという。約千羽は式典終了後、雨がやんでから放たれた。式典中の音楽も吹奏楽団の生演奏でなく、録音していたCDに変更した。(中川雅晴)

(2014年8月7日朝刊掲載)

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