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平和への思い新た 笠岡でつどい 被爆69年「風化させない」

 広島に原爆が投下されて69年たった6日、県内でも原爆死没者を悼む式典や行事があり、参列者は核廃絶や、平和への思いを新たにした。県内の被爆者は3月末現在で1883人。前年より107人減り、平均年齢は80歳を超えている。(谷本和久、永山啓一)

 笠岡市では、市原爆死没者鎮魂式と平和祈念のつどいが同市笠岡のかさおか平和のひろばであった。市や市原爆被爆者会(筒井守会長)などでつくる実行委員会が主催し、被爆者や市職員たち約60人が参列した。

 101歳だった祝(はふり)正子さんたち昨年1年間に亡くなった市内の被爆者4人の名前が報告され、三島紀元市長が「核兵器のない平和な世界の実現に努力することを誓う」とあいさつ。原爆が投下された午前8時15分に全員で黙とうした。参列者は雨の中、祈念碑に白菊を手向けて鐘を鳴らし、「原爆を許すまじ」を合唱した。

 当日の夕方、三原から広島へ入って被爆した元看護師の守屋タカエさん(87)=西大島=は「原爆の恐ろしさが風化されてはいけない」と訴えた。市原爆被爆者会は現在、会員が64人で15年前の半数以下に減った、という。

(2014年8月7日朝刊掲載)

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