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ルワンダ生存者と交流 広島の被爆者 TV電話で体験談

 ルワンダの首都キガリとインターネットのテレビ電話で結び、被爆者とルワンダ大虐殺の生存者が体験を語り合う会が7日、広島市中区の国立広島原爆死没者追悼平和祈念館であった。キガリで6日に始まった原爆展の一環。互いに悲惨な歴史を学び、平和の大切さを確認した。

 広島からは、14歳の時に爆心地から約2・5キロの東練兵場(現東区)で被爆した山本定男さん(83)=東区=が証言。「強烈な熱風で吹き飛ばされた。ピンクの巨大な火の玉が上がった」と振り返り、「原爆は地球上で二度と使われてはいけない」と力を込めた。

 大虐殺の生存者カラシラ・ベヌステさん(61)は、連行されて右手を切り落とされた経験を明かし、「肉体的、精神的に痛めつけられた。それでも生き残ったことを大切にし、平和を願いたい」と訴えた。

 広島の会場で聞いていた山本哲也さん(32)=安芸区=は、国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊員としてのルワンダ赴任を来年1月に控え、「歴史を語り継ぎ風化させないようにしたい」と話していた。70人が見守ったルワンダの会場からは、「米国に嫌な気持ちは持っていないのか」などの質問が出された。

 原爆展は、現地で活動する同隊員と、NPO法人「ルワンダの教育を考える会」(福島市)の主催。(山本祐司)

ルワンダ大虐殺
 アフリカの小国ルワンダで、多数派フツ人が、長年対立していた少数派ツチ人を大量に殺害した。1994年4月6日、フツ人のハビャリマナ大統領たちが乗った航空機が首都キガリで撃墜されたのをきっかけに、フツ人主体の政府軍や民兵が同年7月までの約100日の間、ツチ人やフツ人穏健派たち80万~100万人を殺害したとされる。

(2014年8月8日朝刊掲載)

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