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「黒い雨」調査結果を提出 広島市安佐南区の住民 市に拡大要請

 原爆投下後に降った「黒い雨」を今の広島市安佐南区で浴びた住民たちでつくる「上安・相田地区黒い雨の会」が8日、会員の健康状態の悪化を示す独自の健康調査の結果を市へ提出した。来年の被爆70年までに同地区を国の援護対象区域に加えるよう、政府への強い働き掛けを求めた。

 吉田良文会長(76)たち9人が市役所を訪問。回答した95人のうち88・4%が何らかの病気で治療を受けているとの6月の調査結果を基に、吉田会長は「がんを患う会員が多いのは明らかだ。高齢化も進んでおり、被爆70年までに解決してほしい」と訴えた。

 同じ旧安村で、隣り合う高取・長楽寺地区は、被爆者健康手帳の取得につながる「第1種健康診断特例区域」に指定されており、他の会員たちは「同じ雨に遭って援護に差があるのはおかしい」と強調した。

 対応した原爆被害対策部の杉浦信人調査課長は「思いを受け止めた。調査結果は国に伝える」と述べた。(田中美千子)

(2014年8月9日朝刊掲載)

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