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在韓被爆者 遺族 広島でも集団提訴

■記者 山崎雄一

 国外居住を理由に被爆者援護法に基づく健康管理手当の支給を打ち切られ、精神的な苦痛を受けたとして、韓国の被爆者70人の遺族309人が29日、国に対して1人当たり110万円の慰謝料などを求める訴えを広島地裁に起こした。

 原告は、強制連行などで広島、長崎両市に滞在して被爆後、韓国に戻って死亡した韓国人の遺族。被爆者は全員が被爆者健康手帳を持っていた。

 訴えによると、日本国外に退去した被爆者は手当受給権を失うと定めた1974年の旧厚生省局長通達により、援護の対象外とされたと主張。通達が廃止される2003年3月まで、親族である被爆者が長期間にわたって「精神的苦痛を被った」と訴えている。

 在外被爆者をめぐっては、同通達を違法とした最高裁判決が2007年に確定。国は裁判所に認定された被爆者と和解し、慰謝料などを支払っている。

 同様の集団訴訟は、大阪地裁でも8月に遺族約200人が起こしている。

(2010年10月30日朝刊掲載)

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