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「被爆者の人生」 被写体を募る 25日原爆ドーム前に500人 写真家宇佐美さん

 東京を拠点に活動する写真家、宇佐美雅浩さん(41)=写真=が、地面に横たわる被爆者や赤ん坊たち約500人を原爆ドーム(広島市中区)の前に配し、被爆者の人生の軌跡を1枚の写真で表現する企画をしている。25日に撮影する予定で、被写体になってもらう協力者を募っている。

 宇佐美さんは仏画の曼荼羅(まんだら)に着想を得て、1人の人物を中心にさまざまな問題や社会的背景をすくい取る写真を撮影。東日本大震災で被災した宮城県気仙沼市や原発事故の被害に苦しむ福島市でも作品を作ってきた。

 広島での構図は、被爆当時と現在を左右で対比。中心には「原爆の子きょう竹会」の早志百合子会長が座る。右側は、きのこ雲の写真や被爆瓦の中に被爆者たち400人が喪服姿で「ダイイン」。左側は芝生に赤ちゃん50人が寝転ぶ。

 「今も放射能と闘う福島から見ると、被爆を乗り越えた広島は希望。被爆者の記憶や体験、歴史を世界に伝えたい」と宇佐美さん。来春に東京での個展や写真集発行を予定。写真集の収益は被災地に寄付する。

 撮影はドーム対岸で午前に実施。ダイインは中学生以上(黒い服を着用)、赤ん坊は4カ月~1歳が対象。部谷さんTel090(1682)1755。(余村泰樹)

(2014年8月13日朝刊掲載)

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