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中東訪問の非核特使 田辺さんが帰国報告

■記者 金崎由美

 政府の非核特使としてエジプト、クウェートを巡った被爆者の田辺雅章さん(72)=広島市西区=が1日、広島市役所を訪れ、三宅吉彦副市長に帰国報告した。自身が制作に携わり、現地で上映した被爆前の爆心地周辺をコンピューターグラフィックスで再現した記録映画の反響を伝えた。

 田辺さんは10月16~23日に両国を訪問。外務省の関連団体がカイロで開催した「ヒロシマ映画祭」などで、映画の上演や被爆体験の証言をした。三宅副市長と懇談した田辺さんは「原爆で家族を失った人が証言するシーンに涙を流す人もいた」と語った。

 田辺さんは、秋葉忠利市長と湯崎英彦広島県知事の親書を携えていた。カイロ県知事からは、平和市長会議への加盟表明とともにカイロ市内に平和公園を造る提案があったという。田辺さんは「映画祭で『原爆投下の正当化は断じて容認できない』と発言したら大きな拍手が起きた」と話し、戦火の絶えない中東で被爆の実態を伝える意義を強調していた。

(2010年11月2日朝刊掲載)

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