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「原爆市長」念願の英訳 故浜井氏67年の著書 長男ら遺志継ぎ出版

■記者 金崎由美

 戦後初の公選の広島市長で、復興に力を注いだ故浜井信三元市長の著書「原爆市長」の英語版「A―Bomb Mayor」が完成した。手掛けた長男の順三さん(74)=佐伯区=たちが2日、市役所で記者会見した。

 原爆投下時に市職員だった浜井元市長は、1947年から1度の落選を挟み、4期務めた。中国新聞で連載した「広島市政秘話」などに加筆、67年に「原爆市長」を出版した。平和記念公園の建設議論、47年に初めて開いた「広島平和祭」(現・平和記念式典)の逸話をつづっている。

 68年に亡くなった浜井元市長は生前「英訳したい」と話していたという。順三さんは知人と出版委員会をつくり、約2年をかけて出版にこぎつけた。翻訳家エリザベス・ボールドウィンさん(61)=中区=が英訳した。

 2006年に日本語版も復刻した順三さんは「父の遺志を実現できた。核の脅威と広島の教訓を世界に伝えたい」と話す。A5判240ページ。1500円。原爆資料館内で販売する。出版元シフト鈴木さんTel082(875)8571。

(2010年11月3日朝刊掲載)

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