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社説・コラム

『書評』 永遠の四一 第41連隊の歴史知って 福山の大田さんが本出版

 福山市の陸軍歩兵第41連隊の歴史を調べている福山市議の大田祐介さん(46)が、成果をまとめた「永遠の四一(よんいち)」を出版した。「戦争の惨禍を繰り返さないため、福山と関係深い連隊の歴史を知ってほしい」と呼び掛けている。

 B5判、559ページ。1896年に編成され、日露戦争後の1908年から同市に拠点を置いた41連隊が、第2次世界大戦までアジア各地の戦地に赴いた足跡を「マレー作戦」「メレヨン島とその後」など7章にまとめた。

 文献で調べた史実だけでなく、元隊員の手記、帰還者や遺族へのインタビュー、自らの戦跡調査なども盛り込んだ。隊員の人柄や生きざまを伝えられるよう工夫したという。

 大田さんは、福山市でフィリピン・レイテ島の出身者と知り合ったのが縁で、同島の政治家と交流が始まり、戦跡調査に行くようになった。さらに、各地の元隊員や遺族を訪ねる中、関係者の高齢化を実感。記録や証言を残すため、昨年、執筆に取りかかった。

 「日本軍の残虐な行為の事実も含め、戦争のさまざまな側面を記録した。読者が今後の戦跡調査などに関心を持ってくれたらうれしい」。4100円。市内の書店などで販売している。福山健康舎Tel084(931)4572。(久保友美恵)

(2014年8月14日朝刊掲載)

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