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終戦前日の空襲 悲劇忘れぬ 平和への誓い 新たに 岩国で慰霊祭

 終戦前日の1945年8月14日の岩国大空襲と旧光海軍工廠(こうしょう)の空襲から69年たった14日、犠牲者の冥福を祈り、不戦を誓う式典が、それぞれ岩国市と山口市で営まれた。

 岩国大空襲の慰霊祭は、岩国市の麻里布町第三街区公園であった。遺族たち約60人が参列し、平和への誓いを新たにした。

 米軍の集中爆撃が始まったのは昼前。岩国駅周辺が被害に遭った。岩国市史には死者517人と記載されている一方、「実数は千人近い」という当時の市職員の証言も残っている。

 1分間の黙とう後、主催する麻里布地区自治会連合会の木村建彦会長(69)が「記憶は徐々に薄れるが、悲しみや悔しさの感情は色あせない。戦争の悲惨さを後世に語り継ぐ」とあいさつ。参列者は公園内の平和記念碑前の祭壇で焼香した。

 妹を亡くした重里五月子さん(96)=平生町=は、慰霊祭に初めて参列した。「ここで妹に会えてよかった」と涙を流しながら、手を合わせていた。(増田咲子)

(2014年8月15日朝刊掲載)

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