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終戦前日の空襲 悲劇忘れぬ 旧光海軍工廠で犠牲 生徒悼む 山口

 終戦前日の1945年8月14日の岩国大空襲と旧光海軍工廠(こうしょう)の空襲から69年たった14日、犠牲者の冥福を祈り、不戦を誓う式典が、それぞれ岩国市と山口市で営まれた。

旧光海軍工廠で犠牲 生徒悼む 山口  学徒動員先の光市の旧光海軍工廠で空襲の犠牲になった生徒の追悼式は、山口市の山口高と中村女子高であった。

 旧制山口中の16人が亡くなった同市糸米の山口高では、同期生たち約20人が参列し、校内にある「平和の母子像」に手を合わせた。

 旧山口中53・54期同期会の伊藤健生会長(85)は「2年間ひもじい思いをして工場で働き、空襲で仲間を亡くした。若い世代を悲惨な目に遭わせないために当時のことを伝えたい」と追悼の言葉を述べた。同会は高齢化を理由に、ことしから追悼式を山口高同窓会と共催することにした。

 当時の中村高等女学校の33人が亡くなった同市駅通り1丁目の中村女子高では、同期生や在校生たち約50人が参列し、校内の「純真の碑」に花を手向けた。中村靖子校長(67)は「犠牲者の冥福を祈り、平和を大切にする心を育みたい」と話した。

 光市によると、旧光海軍工廠の空襲で738人が亡くなった。(柳岡美緒)

(2014年8月15日朝刊掲載)

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