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テレビ欄「縦読み」 職人芸 仕掛け人はRCC桑田ディレクター カープVへ熱い思い

 中国新聞などのテレビ欄にある広島東洋カープ戦の中継告知文の「縦読み」。横書きの文章の左端の文字を縦につないで、メッセージを伝える。知恵を絞り続けているのは、中国放送(RCC=広島市中区)スポーツ部の桑田晋吾ディレクター(37)。23年ぶりのリーグ優勝を願い、熱いエールを送り続ける。(山本乃輔)

 「原爆の日」だった6日付紙面のテレビ欄。中日戦の告知文を縦読みすると、「カープ応援できる平和に感謝」の言葉が浮かび上がった。インターネットなどで反響が広がり、フェイスブックでは約2万5千人が告知文の写真を共有した。隠れた努力を知った新聞読者たちから、ねぎらいと励ましの言葉が寄せられているという。

 大瀬良大地投手が初先発した4月2日付は「赤のパンツ」。昨年7月3日付のナゴヤドームでの中日戦では「苦手敵地で竜撃破」とするなど日々凝った文言を忍び込ませる。縦読みを始めたのは、2012年から。北海道放送の日本ハム戦の告知文のスタイルをまねた。

 野球中継を担当する桑田さん。テレビ欄の文字数が決まると準備に取りかかる。チームの状態や試合の見どころ、中継日がどんな日かを踏まえ、帰り道や就寝前に練る。掲載日前日の午前中までに仕上げる。

 最高傑作は、カープがクライマックスシリーズ(CS)進出を決めた昨年9月25日付の「C初の悲願達成へ」という。野村謙二郎監督の胴上げを中継することが、いまの目標。桑田さんは「みんなでカープを応援し、快進撃を後押ししたい」と話している。

(2014年8月15日朝刊掲載)

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