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小中学生が被爆体験インタビュー 英国劇団の脚本作り企画 ヒロシマ題材に来年上演

 英国の劇団「ロンドン・バブル・シアター・カンパニー」が、広島の子どもたちによる被爆者へのインタビューを基にした劇を創作する。「ヒロシマの孫たち」と題したプロジェクトで、大和日英基金を活用して実施。18日は広島市中区のサテライトキャンパスひろしまで、子どもたちが被爆体験を聞いた。

 被爆70年の来年8月、原爆の悲惨を若い世代に伝える劇を日英両国で上演することを目指すプロジェクト。今月4日からスタートした。広島、福山市などの小学2年から中学1年まで17人が参加し、19日までに被爆者計15人と面会して、子どもだった被爆当時の生活の様子や思いを尋ねる。

 18日は、10歳のときに広瀬北町(現中区)で被爆した寺本貴司さん(79)=廿日市市=の体験に耳を傾けた。牛田新町小4年の藤田響君(10)は「即死の人もしばらくたってから亡くなる人もいて、原爆の怖さを感じた」と話した。

 同カンパニーは3年前、第2次世界大戦のロンドン大空襲の生存者に子どもたちが聞き取りをする体験から作品を作った。今回も広島でのインタビューを素材に脚本を仕上げる。プロデューサーのマリゴールド・ヒューズさん(34)は「節目の年に劇で、あらためて核兵器の問題を提起したい」と力を込めた。(平井敦子)

(2014年8月19日朝刊掲載)

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