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30周年彩る世界の快作 第15回広島アニメフェス21日開幕

 第15回広島国際アニメーションフェスティバル(広島市など主催)が21~25日、「愛と平和」をテーマに広島市中区のアステールプラザで開かれる。運営組織発足から30周年となる祭典は、メーンのコンペティション(公開審査)や30周年記念プログラム、ハンガリー特集など多彩な内容を盛り込む。国内外の名作から最新作まで計700弱を上映する5日間。見どころを紹介する。(余村泰樹)

■コンペティション

 74カ国・地域から過去最多の2217作品の応募があり、1次選考を通過した20カ国・地域の59作品(2~17分)が21~24日夜に上映される。

 山村浩二ら6人の国際審査委員が審査。25日午後6時から、グランプリやヒロシマ賞、来場者の投票で決める観客賞などの受賞者を表彰し、受賞作品を紹介する。

■記念プログラム

 祭典の歴史を、歴代受賞作品特集と歴代名誉会長特集の計12プログラムで振り返る。

 受賞作品特集では21日午後、第1回でグランプリを受賞した手塚治虫の「おんぼろフィルム」とともに、未完成だった手塚作品「森の伝説」の「第二楽章」を世界初公開。すでに公開されていた「第一楽章」「第四楽章」に続き、息子のビジュアリスト眞が父の残した創作メモを基に制作した。チャイコフスキーの交響曲第4番にのせた物語。眞のトークもある。

 名誉会長特集では、ポール・グリモーの長編「王と鳥」(21日午後)、ウォード・キンボールが関わったディズニーの長編「ピノキオ」(21日午前)、ラウル・セルヴェの「ハーピア」(24日午後)など色あせない名作が並ぶ。23日午後には、映画「キングコング」の特撮で知られるレイ・ハリーハウゼンを追ったドキュメンタリー「特殊効果の巨人」の上映もある。

■特別プログラム

 ハンガリー特集は、草創期から現代に至る254作品を作家やテーマで分けた23プログラムを連日紹介。フェレンツ・ツァコーの短編「AB OVO」(24日午前)やヨージェフ・ゲーメシュの長編「英雄時代」(23日午後)…。ハンガリーアニメーションの歴史を余すところなく伝える。

 製作者によるセミナーやトークも。22日午前には、ピクサー・アニメーション・スタジオの短編「LAVA」を世界初公開。ハワイを舞台に火山の恋を描いたミュージカル作品について、監督のジェームズ・フォード・マーフィーらが語る。22日午後は今大会の名誉会長ブルーノ・ボツェットの特集とトークもある。

 そのほか、山村浩二(24日午前)やクロアチアのヨシュコ・マルシッチ(24日午後)たち国際審査委員の作品を特集。近年の傑作を集めた「ベスト・オブ・ザ・ワールド」、国内外の若い才能に触れられる「学生優秀作品集」、「子どものためのアニメーション」などもある。(敬称略)

 入場料は1プログラムで大人1200円(前売り千円)。1日券は3千円(同2500円)。全プログラム券は1万2千円(同1万円)。中高大生の割引や団体割引もある。小学生以下は30周年記念で無料。プログラムの詳細はホームページ(http://hiroanim.org/)。事務局Tel082(245)0245。

(2014年8月16日朝刊掲載)

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