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回天の悲劇…平和の礎に 周南の記念館前で110人追悼 祈りの鐘いつまでも響け

 終戦の日の15日、人間魚雷「回天」の発射訓練基地があった周南市大津島の回天記念館前で、来館者たち約110人が「平和祈念の鐘」を鳴らした。多くの若者が命を落とした悲劇を受け止め、平和への思いを新たにした。

 黙とうをささげた後、来館者や家族連れが鐘を突いた。呼び掛けた徳山ユネスコ協会の原田茂会長(76)は「不戦の69年間は一人一人の努力があってこそ。戦争のない世界にするため、全員が心に平和のとりでを築かなければ」と訴えた。

 1974年に設置された鐘には、43年に岩国市柱島沖で爆沈した戦艦陸奥の砲身が鋳込まれている。回天記念館の松本紀是(としゆき)館長(69)は「来年の戦後70年は大きな節目。平和の尊さをあらためて考える企画を提案したい」とした。

 父や妹、いとこたち計7人で訪れた華陵高1年石田了子さん(15)は「生きて帰ってこられないと若者が自覚しなければいけないなんて、とてもさみしいこと。若い世代がここに来て、その悲しみを感じないといけない」と話した。(滝尾明日香)

(2014年8月16日朝刊掲載)

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