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上関の生態系を次世代に残そう 「守る会」、山口で国際シンポ

 上関の自然を守る会は16日、国際シンポジウム「カンムリウミスズメと上関の生物多様性」を山口市の県立図書館で開いた。約250人が参加。中国電力が山口県上関町に計画する上関原発建設予定地周辺の豊かな生態系について考えた。

 カンムリウミスズメは予定地沖に生息する国天然記念物の海鳥。ここ数年、現地で生態を調べた北九州市立自然史・歴史博物館の武石全慈学芸員は「年中見られる地域は他にない」と強調。同様に調査した米国の生物学者デロー・ウイットワース氏は「上関は繁殖地の可能性が高い」と述べた。

 鹿児島大大学院理工学研究科の佐藤正典教授はナメクジウオなど他の希少種も紹介し「原発ができれば局地的な温暖化が起き、餌に重大な影響が出る。希少生物の宝庫に建設が与える意味を十分に認識する必要がある」と指摘した。上関の自然を守る会の高島美登里代表は「今の生態系をそのまま次の世代に残す」と決意を述べた。

 シンポは17日に京都市、18日に東京でも開く。(門戸隆彦)

(2014年8月17日朝刊掲載)

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