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「黒い雨」絵で証言 被爆者描いた36点 原爆資料館

記者 金崎由美

 原爆資料館(広島市中区)は、東館地下の「市民が描いた原爆の絵」の展示コーナーの作品を入れ替え、「黒い雨」をテーマに被爆者が描いた作品の紹介を始めた。原爆投下後に降った放射性物質を含む「黒い雨」を通し原爆被害の実態を伝えるのが狙い。来年10月まで。無料。

 鉛筆や絵の具で描かれた36点。きのこ雲、続いて発生した竜巻や雷、降雨の順に展示。「(爆心地から52キロ離れた島根県内に)焦げた紙が落ちてきた」「黒い雨が降った。目がしみて、開けていられない」など生々しい証言を添えている。

 東区の元泉善和さん(65)は「爆風と熱線を受けた原爆ドームを見ただけでは分からない、もう一つの原爆被害が伝わってくる」と見入っていた。

 「市民が描いた原爆の絵」は1974年と2002年にNHKなどが募集し、同館が所蔵している。

(2010年11月10日朝刊掲載)

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