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豪首相が広島初訪問  原爆資料館など視察

■記者 水川恭輔

 オーストラリアのケビン・ラッド首相(50)が9日、広島市の平和記念公園(中区)を訪れ、原爆資料館などを視察した。イラク駐留豪軍の撤退を訴え、昨年12月に就任した首相は「アジア・太平洋地域の世紀といわれる21世紀を、平和の世紀にしなければならない」と強調した。

 秋葉忠利市長の案内で原爆慰霊碑に花を手向けた。資料館では前田耕一郎館長に原爆の破壊力や市民への被害状況をたずね、被爆後の街の模型や惨状を伝える写真に見入った。  「世界はこの廃虚となった都市から平和への決意を新たにしよう」と記帳した首相は、「国際社会は核兵器廃絶に努めなければならない」と語った。

 ラッド首相は京都議定書の批准も公約に掲げ、約11年ぶりの政権交代を果たした。今回、12日の日豪首脳会談に臨むため8日に来日。本人の希望で、同国首相として初めて広島を訪れた。

(2008年6月10日朝刊掲載)

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