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被爆者とユダヤ人生存者がネット対談

■記者 金崎由美

 ナチスドイツによるユダヤ人大量虐殺の生存者を追った記録映画の上映会が9日夜、広島市中区の区地域福祉センターで開かれた。ドイツに住む主人公マックス・マンハイマーさん(90)と被爆者のインターネットの画面を通じた対談もあった。

 核兵器廃絶をめざすヒロシマの会の主催。映画「白いカラス」は、アウシュビッツ強制収容所で家族6人を失ったマンハイマーさんが1991年に現地を再訪してから現在までを追った80分作品。

 上映後は来日中のキャロリン・オットー監督(47)を交え、原爆ドームの絵を描きながら被爆体験を証言している原広司さん(79)=安芸区=と、スクリーンに映し出されたマンハイマーさんが言葉を交わした。

 原さんは、自身が90年に同収容所を訪れた際の写真を掲げ「映画を見ていられないほどの悲しみだ」と伝えた。マンハイマーさんが「憎しみを乗り越えて証言している。悲劇を繰り返さないため、お互いに長生きして体験を伝えよう」と語ると、80人が参加した上映会場は拍手に包まれた。

(2010年11月11日朝刊掲載)

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