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「ゲン」熱演 家族愛を発信 市民劇団「色あせぬ魅力」 松江

 市民劇団「劇団幻影舞台」(清原真主宰、松江市)は23日夜、漫画「はだしのゲン」の朗読劇を同市新町の洞光寺で公演した。同市教委による「ゲン」閲覧制限問題の発覚から約1年。問題の地から作品に流れる家族愛を発信しようと企画し、110人が見入った。

 広島市に原爆が投下されるまでの場面をスタッフを含め全15人が約1時間演じた。非国民呼ばわりされる元(げん)の父大吉を、当初は疎みながらも愛情に気付いていく元と姉の英子。兄浩二が志願した海軍に赴くシーンでは、反対を貫いた大吉が浩二の乗った列車に向かい「中岡浩二、万歳」と叫び、直後に泣き崩れた。

 制限問題を受け、昨年10月に松江市内で初演。稽古を続けて再演した。島根大3年隈本万晴さん(20)=同市西川津町=は「元たちきょうだいと大吉の絆が印象的。作品の色あせない魅力が伝わった」と話していた。

 9月27日は、浜田市金城町の夢の音村森の公民館で公演する。被爆70年の来夏は広島市で演じる目標を掲げている。(樋口浩二)

(2014年8月25日朝刊掲載)

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