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原爆の日 カープ戦 53年ぶり 

■記者 加納優、野田華奈子

 原爆の日の8月6日には広島市で実施しなかったプロ野球公式戦が来年、53年ぶりに開催される。スポーツを通して平和への願いを共有してもらおうと、市は試合が可能になるよう条例施行規則を改正、広島東洋カープは日程調整に取り組み実現した。

 マツダスタジアム(南区)での広島―巨人戦で、ナイターで実施する。8月6日の公式戦は旧市民球場(中区)時代の1958年以来。以後は市が規則で球場を「休場日」とした。カープはこの間の8月6日は遠征や移動日で対応してきた。

 慰霊の日ににぎやかな催しは自粛するべきとの考えがある一方、「スポーツは平和だからこそできる」との声も強まった。市と球団はこれまでも開催を前向きに検討。市は今年4月、条例規則を変更した。

 市の品川弘司市民球場調整担当課長は「原爆の日には全国から多くの人が訪れる。日程を組んでもらったのはよかった」。カープの松田元オーナーも「若い人や他県の人にも8月6日への理解を深めてもらいたい」とし、当日球場で鎮魂と平和を祈るセレモニーの実施も検討する方針だ。

(2010年11月11日朝刊掲載)

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