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平和賞サミット開幕 広島「核なき世界」議論

■記者 金崎由美

 ノーベル平和賞受賞者世界サミットが12日、広島市南区のグランドプリンスホテル広島で開幕した。歴代受賞者や受賞団体の代表者が被爆地に集い、「ヒロシマの遺産―核兵器のない世界」をテーマに議論する。サミットは11回目で、日本での開催は初めて。

 開会行事では、歴代受賞者たちを、中区の幟町小児童たちが「アオギリの歌」「折鶴のとぶ日」を合唱して出迎えた。会場を埋めた市民たちが大きな拍手を送り、市立広島工業高の生徒たちは、手作りした金細工の折り鶴を歴代受賞者にプレゼント。ダライ・ラマ14世たちは笑顔で生徒たちと握手した。

 続いて元原爆資料館長の高橋昭博さん(79)が被爆体験を証言した。あいさつに立った広島市の秋葉忠利市長は「被爆者は、自らのつらい体験から『ほかにこんな思いをさせてはならない』と語り、核兵器廃絶を訴えてきた。人類の存在を左右する問題の解決へ指針を示してほしい」と語り掛けた。

 12日は三つのセッションがあり、受賞者たちが「ヒロシマの遺産」などをテーマに議論。13日も「核兵器のない世界に向けての進展」などについて意見を交わす。

 最終日の14日午前9時半からは、中区の平和記念公園で歴代受賞者たちがスピーチする。また、サミットには、今年受賞する劉暁波氏の代理で中国・天安門事件での元学生運動指導者ウアルカイシ氏も参加。中国の人権問題へのメッセージも注目される。

 主催するサミット事務局(ローマ)は、ワレサ元ポーランド大統領が健康上の理由で出席を急きょ取りやめたと発表し、歴代受賞者の出席者は6人となった。

(2010年11月12日夕刊掲載)

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