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「核兵器廃絶は世界の潮流」 初日を傍聴した市民の声

■記者 東海右佐衛門直柄、二井理江、柳本真宏

  広島市南区のグランドプリンスホテル広島で12日に開幕したノーベル平和賞受賞者世界サミットには、市民や学生、被爆者たち延べ約1200人が傍聴に訪れた。歴代受賞者が被爆地で核兵器廃絶を熱く訴える姿に、「廃絶は世界の大きな潮流になっている」との思いを強くしていた。

 傍聴席には、大学生たち若者の姿も目立った。「伝え続ける大切さを学ぶとともに、若い世代に希望を託してもらえた」。被爆地の訴えを世界に共有してもらう方策について受賞者に尋ねた東京都の大学1年菅原将さん(19)はそう実感した。

 広島市中区の大学4年寺田友梨香さん(21)は「核兵器開発よりも、途上国の教育にお金を使おうという受賞者の訴えに心を動かされた。私も身近な事から平和への行動を始めたい」と決意した。広島市西区の主婦緒方理香子さん(29)は「廃絶は無理ではないかと内心思っていたが、受賞者の発言に勇気づけられた」と話していた。

 市民団体「核兵器廃絶をめざすヒロシマの会」の森滝春子共同代表(71)は「世界との連帯を強め、訴え続ける重要性を再確認した」。日本被団協の坪井直代表委員(85)は「広島の訴えは確実に世界に広まっている」と力を込めた。

(2010年11月13日朝刊掲載)

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